クラウドファンディング!

4つの​琉球諸語の絵本を出版!

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言語復興の港が制作している琉球諸語の絵本を、4冊一気に出版するクラウドファンディングに挑戦します。支援募集期間は2019年11月27日(水)午前9時から2020年1月31日(金)午後11時、目標金額は240万円。READY FORのクラウドファンディングページに書いた読み物を再掲するかたちで、クラウドファンディングプロジェクトを紹介します。

はじめに絵本を1分動画でご紹介

今回出版を目指すのは、与那国島、竹富島、多良間島、沖永良部島の民謡/昔話を題材にした絵本です。それぞれの島のことばで、島の人が語ってくださった朗読音声が絵本には付録としてつきます。それぞれの冒頭部分を、制作中のイラストと合わせてどうぞ!

子どもたちが大人になったときにも

島のことばが聞こえる世界を残すために

言語復興の港は、琉球諸島の島の人たちと一緒に、「消滅危機言語」と言われている琉球のことばの復興を行っています。それぞれの島のことばの研究者が辞書をつくったり文法書を書くための調査をしながら、島の若い人たちが再び島のことばを話すためのしくみをつくっています。

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世界の言語の半分が、「いま何もしなければ」今世紀の終わりまでになくなってしまうと言われています。そのような「消滅危機言語」が、日本には8つあると2009年にユネスコが発表しました。

私たちはそのうち6つを占める琉球諸語の、学習教材としても使える昔話絵本を出版して島に届けるプロジェクトを立ち上げました。「言語や文化の記録」として琉球のことばで語られる昔話を絵本のかたちで残し、同時に、絵本を楽しみながら島のことばを使うサポートをするための絵本を制作しています。

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沖永良部島(鹿児島県大島郡和泊町・知名町)、多良間島(沖縄県宮古郡多良間村)、竹富島(沖縄県八重山郡竹富町)、与那国島(沖縄県八重山郡与那国町)のことばで、それぞれの島に伝わる昔話を題材に、島の人たち、言語学者、イラストレーター・デザイナーが協働して制作した4つの絵本を出版し、消滅危機言語の継承保存と、言語の多様性保持を目指します

 

そして今回、この絵本出版プロジェクト実現のために、クラウドファンディングへの挑戦を決めました。みなさまのご支援・応援をよろしくお願いいたします。

家庭や地域の中で

親から子へ伝承されていく「ことば」。

みんなで楽しみながら

地域言語を学んでほしい。

 

みなさんは、琉球語を聞いたことがありますか?

 

沖縄本島に行ったことがある方は「めんそーれ(いらっしゃい)」や「にへーでーびる(ありがとう)」などの表現を、聞いたことがあるかもしれません。これらは琉球諸語の一つ、沖縄本島南部のことばの表現で、琉球諸島では他にもたくさんの言語が話されています。例えば「ありがとう」は、今回出版を目指す島のことばでは、「みへでぃろ(沖永良部島)」、「すでぃがぷー(多良間島)」、「にーふぁいゆー(竹富島)」、「ふがらさ(与那国)」と、ぜんぜん違う表現です。

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琉球諸語は、鹿児島県の奄美群島から沖縄県の八重山諸島までの琉球諸島で、伝統的に話されていることばです。現在日本本土で話されている言語とは1000年以上前に分岐し、独自の歴史変化を経たため日本語とは異なる独立した言語となり、現在唯一日本語との姉妹関係が証明されている言語群です。

 

 

琉球諸語は、おおむね60歳以上の人たちが日常的に使っていますが、子どもたちは日本語物リンガルとして育っていて、「いま何もしなければ」近い将来なくなってしまうと言われています。

 

今子どもを育てている世代は、琉球語を聞いて理解することはできても、流暢に話すことはできず、この世代を境に、世代間継承が断絶してしまっています。

 

言語が「なくなってしまう」と言いましたが、言語は自然に消滅するものではありません。琉球諸語は、日本本土の諸方言と同じように、中央語である日本語(標準語)「だけ」が強い力を持ったため、「消滅させられそう」になっているという言い方の方が正しいでしょう。

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琉球諸語のような地域言語は、その地域の文化や、そこに暮らす人たちのアイデンティティを支えるものであると言えます。また地域言語の消滅はその地域だけの問題ではありません。社会の中から言語の多様性が失われることは、文化や価値観の多様性、人々のアイデンティティの土台を揺るがすことにつながり、画一的でのっぺりした社会に向かってしまうことにもつながります。

 

…と、どこかで聞いたことがあるようなことばで言わなくても、琉球の島の人たちは、じぶんたちの島のことばが大好きです。できることならなくならせず、子どもたちに継承したいと思っています。

 

 

では、どうすればよいのでしょうか?

 

 

学校教育の中で地域言語を学習するには、授業時間も指導者も現在はまったく足りませんし、これを変える段取りを踏んでいる間に、言語復興は手遅れになってしまうかもしれません。しかし本来ことばは、家庭や地域の中で、親から子へ継承されていくものでした。

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私たちは、家庭や地域の中で楽しみながら使える絵本を出版して島に届けることで、流暢な母語話者であるおじいいさんおばあさん、島のことばを流暢に話せなくても、聞いて理解することはできる親たち、そして日本語モノリンガルの子どもたちや島に移り住んできた人たちが、地域言語の習熟度に合わせて、一緒に遊びながら行う言語継承のサポートを目指しています。いくつかの島ではすでに、島の人たちと一緒にさまざまな取り組みを進めています。

 

 

4つの島のことばの絵本、出版へ!

 

今回制作するのは、沖永良部島、多良間島、竹富島、与那国島のことばで、それぞれの島に伝わる昔話を描いた多言語表記の昔話絵本です。

 

絵本として制作している4つの物語の冒頭部分の朗読を、絵本のイラストと一緒に字幕付き動画で紹介します。それぞれの絵本の詳細は、少しずつ「新着情報」で公開しますね。

絵本には、場面ごとのイラスト日本語標準語訳のほか、島の人による朗読音声もついているため、島のことばが全くわからない人も絵本を楽しむことができます。

 

さらに、言語学者による物語全文の逐語訳と、ことばの解説も付録としてついてます。子どもが楽しめる絵本としても、学術的な言語資料や学習教材しても機能するパッケージコンテンツとして制作しています。

 

島の人たちは、言語学者と一緒に行うことばの調査や、物語の再話・朗読音声収録に参加してくださったり、制作途中のサンプルを家庭や地域コミュニティ内、幼稚園、保育園、小学校などで実際に利用して、私たちにフィードバックを送ってくださったりしています。

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<出版について>

出版予定日:2020年7月1日

発行部数:各1,000部

与那国島「ディラブディ」

竹富島「ふしぬ いんのぬ はなし(星砂の話)」

多良間島「カンナマル クールク」

沖永良部島「ましゅ いっしゅーぬ くれー(塩一升の運)」

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<資金使途について>

みなさまからのご支援は以下のように活用させていただきます。

・出版する絵本の印刷・製本・編集・校正費用

・READYFOR手数料

・リターン経費・送料

商業出版に乗せること

絵本の学術的な価値を認めてくださった言語学専門の出版社「ひつじ書房」さんから絵本出版のオファーをいただきました。

 

ひつじ書房さんにとっては、絵本という新しい分野に挑戦することになるため、私たちがクラウドファンディングで初版の印刷製本経費を確保することにしました。

研究費や行政の助成金を使用して絵本を印刷すると、絵本を届けられる人たちが非常に限られてしまいます。1回限りの印刷ではなく絵本の提供を持続させ、また島外の人にも日本の中の言語の多様性を体験していただけるよう流通に乗せるために、絵本を商業出版物にすることにしました。私たちにとっては、助成金だけに頼らない研究費獲得という新しい試みでもあります。

一緒に言語復興の船を進めましょう!

中央語である日本語標準語だけでなく、地域言語も話せるバイリンガル話者が増えれば、現在消滅の危機に瀕している言語はなくなりません。

 

島の人たちがじぶんたちの島のことばを次世代に継承することをサポートし、私たちが暮らす社会の中の言語や文化の多様性を守るためにも、ご支援をお願いします。

 

そして今回のプロジェクトを通して多くの方々に、絵本を楽しみながら日本の中の言語と文化の多様性に触れていただきたいと願っています。絵本をとおして琉球のことばと文化を知り、一緒に楽しむことが、言語と文化の多様性を守ることにつながると信じています。

 

ご支援いただいた方は、お名前を絵本に記載させてください。そうすることで、島のことばの継承に関心がある人がたくさんいらっしゃることや、じぶんたちが島のことばを継承することの意義に、島の人たちが気づくきっかけになると考えています。

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島の人たちと一緒に大小さまざまなプロジェクトを進めている「言語復興の港」は、それぞれのプロジェクトを船に例えています。

 

船に乗り込む人だけでは、消滅危機言語の復興という航路を進むことはできません。いろんな人が集まり、嵐のときには休んで力をつけることができる港には、漕ぎ手を応援する人たちが必要です。

 

手を振ったり銅鑼を鳴らしたり、水と食糧を積み込んだり、船に新しくマストを立てたり…。さあ、一緒に船を進めましょう!

クラウドファンディングページから、ご支援をお待ちしています。

プロジェクトメンバー

絵本の制作は、消滅危機言語の復興と言語の多様性保持を目的とした「言語復興の港」というプロジェクトのメンバーが行っています。フィールドワークをとおしてそれぞれの島のことばを研究している4名の言語学者、実際に島を訪れて島の人たちとお話しながら作品制作を続けてきたイラストレーター・デザイナー、そしてたくさんの島の人たちが協働して絵本を制作しています。

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