ゆむどぅい通信

鹿児島県の南にある沖永良部島では、琉球諸語の一つ、沖永良部語が話されています。ゆむどぅい通信は、島に住む松村雪枝さんが、母語であるひょーむに(沖永良部語上平川集落方言)で書いた日記からいくつか抜き出したものです。「ゆむどぅい」はひょーむにで「すずめ」を指す言葉です。ふらっと飛んできてちゅんちゅんさえずるすずめのように、短い文章をひょーむにでお届けします。

表記法について

最初に単語のまとまりごとに分かち書きしたひょーむに原文、その後で分かち書きごとの直訳が書いてあります。ひょーむには琉球諸語の一つで、日本語とは文法が違うので、直訳では日本語の文にならない部分もあります。文ごとの意訳は、付属語(助詞)などの詳しい情報と合わせて、「もっと詳しくpdf」にあります。

ひょーむには拡張かな文字で表記してあります。ひょーむににあって日本語標準語にない音は、補助記号などを使って書いてあります。もっと詳しいことは、ゆきえさんの創作物語を絵本にした『みちゃぬ ふい』の「ことばの解説」にあります。

目次

​第3回

かわた ちゅー

変な 人

ヤマダしんしぇわ

かわた えんぴつぬ むちかた しゅん。

わらびぬ とぅき

ちゃんとぅ はたゆぬ ちゅーぬ

うらだな あてぃどーち ‘むーとぅたん。

 

がんわ なーだな あたん。

じー はきゅぬ とぅき

じーぬ みゃーらんとぅ

どぅーし ゆくゎぬ よい

ちこゆに なたむでぃさ。

 

なま わな

はがぬ でぃきゆぬ でんきぬ しゃんてぃ

じー はちゅしが、

わぬむ しんしぇが くとぅしゃぬ

えんぴつぬ むちかた しゅん。

 

かわた ちゅーわ

ちゃんとぅ わきぬ あてぃどぅ

かわた くとぅでぃ ‘むーゆぬ くとぅ

しゅんどー。

 

ーしまむに日記(日付不明)より

 

山田先生は

変な 鉛筆の 持ち方 している。

子どもの とき

ちゃんと 教える 人が

いなくて あったよと 思っていた。

 

そうわ なくて あった。

字 書く とき

字が 見えないから

じぶんで いい ように

使うように なったそうだ。

 

今 私は

影が できる 電気の 下で

字 書いているが

私も 先生の ような

鉛筆の 持ち方 しているよ。

 

変な 人は

ちゃんと わけが あってぞ

変な ことと 思う こと

しているんだよ。

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